用があって神戸へ。
好きだし、愛着のある都市だ。
私はこの街で働いていた。
市外(しおかぜ町)からの通勤。
ある年など、365日のうち、
350日ほど通った。
土日など関係がない。
当然、問題である。
実際、労働基準局が調べに来たらしい。
「働きかた改革」なんて言葉がなかった時代だ。
ただ、長時間労働や休日出勤は、苦ではなかった。
仕事自体は楽しかった。
つらかったのは、違うものだ。
突然に、公にできないことが起こる。
世間に知られたくないこと。
腹にしまって、墓場まで持っていくもの。
それが積み重なってくると、ひどくしんどくなる。
その仕事をやめて時間は経ったが、
今でも夢を見る。
いや、
見るのは、その頃の夢ばかりである。
これからもそうなのか。
神戸の海、しばらく眺めていた。
眺めながら考えた。
平日の昼間である。
元同僚や、後輩たちが働いている(はずだ)。
できるだけ軽やかに、と思う。
腹に重い石を抱え込むな、と思う。
がんばれよ、と思う。
思うことしかできないから、せめて思わせてくれ。
いい天気だ。
侍ジャパン、おめでとう。