しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から2023/05/23コロナを侮るな

しおかぜ町は雨上がり。

昨日より、ずいぶん涼しい。

昼前に、

真田さんの息子の翔太と出会う。

中学校三年生。

まだ、授業をしている時間だが。

「おや、どうした?」

「熱があるんですう。なんか、コロナかもしれないから

帰れって」

あれあれ、おいおい。

2類から5類になったとか、

マスクは個人の判断だとか。

世間は楽観ムードだ。

「三ツ色さんは、マスクしてるんですね」

「ヒゲ、剃ってないからね」

「そういう問題ですか」

なぜか、やんわり怒られた。

「そんなこと、どうでもいいから

早く帰って寝てろよ」

うーんと言って、考えている。

「家、誰もいないからなあ」

「しょうがないなあ、何か食べるものあるか」

「いえ、何も」

「もう、何、食いたい?」

「え、買ってきてくれるんですか?」

「コンビニだぞ」

「もちろんです。えっと、とんかつ弁当がいい」

たく、そんなもの食えるなら大丈夫だろうよ。

 

届けてやったら、笑顔で受け取った。

リビングからテレビの音が聞こえている。

翔太、

ヒルナンデス』なんて観てないで、

とんかつ食って、おとなしく寝てろ。

 

夜になって、父親から電話があった。

弁当のお礼と、息子を病院に連れて行ったとのこと。

めでたし。