しおかぜ町は雨だった。
昨日の酔いが残った頭には
窓に当たる雨音が煩わしかった。
昨夜は、
JRで一時間ほどかけて、
友人たちに会いに行った。
高校生活を共にした連中である。
母校近くにある、これも高校の後輩の店。
ヒロ君とダイ君はゴルフ帰りだ。
さぞビールが美味しいと思うが、ダイ君は飲まない。
ゴルフ組ではない私と部長。
私たちが所属していたクラブのリーダー。
卒業してから、嫌になるほど時が経っても、部長は部長だ。
彼はなかなかの酒豪である。
付き合って、しこたま飲んだ。
帰り、ふたりで最寄り駅のホームに立つ。
(ヒロ君とダイ君は車だ。ダイ君が運転していった)
「あんなのがある」
部長が言った。掲示を見ている。
母校は空港の近くだ。
飛行機が飛んでくると、話し声が聞こえなくなる。
なるほど。
記憶がいろいろと甦る。
列車に乗ってから部長が言った。
「英語やったけど、意味わかったわ」
まあ、たいして難しい内容ではなかったけど。
私と別れたあと、さらに一時間以上かけて、彼は自宅に帰る。
雨に濡れなければよかったのだけど。