しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

しおかぜ町から〜追憶編7

承前 追憶編・最初から しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から 追憶編・前回 しおかぜ町から~追憶編6 - しおかぜ町から 大学を卒業し、 私は神戸の私立学校で教師になった。 城間は京都の製薬会社に就職し、 具志堅太郎は沖縄で、水産会社に入社した…

しおかぜ町から~追憶編6

承前 追憶編・初めから しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から 追憶編・前回 しおかぜ町から~追憶編5 - しおかぜ町から 卒業後も、島田は私たちと活動を続けた。 さすがに、大学で練習するのは気が引けたのか、自腹でスタジオを借りた。 その頃から、…

しおかぜ町から~追憶編5

承前 追憶編・最初から しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から 追憶編・前回 しおかぜ町から~追憶編4 - しおかぜ町から 「キーボードが必要やと思うねん」祇園祭の前、暑い日だった。 島田はまじめな顔をしている。 「音に厚みが欲しいねん」私は必要…

しおかぜ町から~追憶編4

承前 追憶編・最初から しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から 追憶編・前回 しおかぜ町から~追憶編3 - しおかぜ町から 後期試験が終わり、久しぶりに部室に行くと、島田が待ち構えていた。「お前、こういう演奏できるか」CDプレーヤーのボタンを押…

しおかぜ町から~追憶編3

承前 しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から しおかぜ町から~追憶編2 - しおかぜ町から 夏休み、私たちはライブハウスに出演するようになった。島田がオファーを取り付けてきた。 彼は関係者からも評価されていて、顔が利いたのだ。バンド名は、「京…

しおかぜ町から~追憶編2

承前 しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から ふた月ほど前に、島田はそれまでいたバンドを抜けていた。 「方向性の違いや」そう言っていたが、本当は人間関係だと、別の先輩が教えてくれた。メンバーを探していた島田にとって、私は好都合だったのだろ…

しおかぜ町から~追憶編1

私は中学二年生でギターを始め、高校では、そこそこの腕前になっていた。 学校にはフォークソング・クラブしかなかったが、 ハードロックを演奏して目立った。 「ブリザード」というバンドを結成し、文化祭で人気者になった。 他校のバンドと、市民会館で演…

しおかぜ町から2023/07/25振り返るとき

しおかぜ町もひどく暑い。 ビール以外、あまり水分を摂らない私は、 気を付けなくては。 『スーパーおとくに』の隅っこ、 涼しい場所でクニエダさんが座っていた。 経口補水液のペットボトルを持っている。 「どうされたの?」 レジ係に尋ねる。 「休んでも…

しおかぜ町から2023/07/22調子に乗っちゃって

「どうして私がいなくなってから 楽しそうなことするの?」 バンドの話。萌花の文句。 「秋のグルメフェスティバルのイベントだよ。 仕方ないじゃないか」 ボーカル不在のオジさんバンド。 「私がやりたかった。グループのセンター」 いや、アイドルグループ…

しおかぜ町から2023/07/20バンド結成からのボーカル不在

ベース担当者は簡単に見つかった(らしい)。 宗介さんがよく行く、沖縄料理店のサブチーフで 那覇の出身。 私がいたバンドのベースも沖縄出身者だった。 不思議な縁を感じて、喜んでOKした。 腕前はわからないが、今も弾いているというから 間違いはないだ…

しおかぜ町から2023/07/16バンド結成? ホントに?

しおかぜ町も猛暑である。 宗介さんが話があるという。 喫茶『エルベ』で待ち合わせ。 常連の香田さんがカウンターにいた。 いつものようにガムシロップをふんだんに入れて、 アイスコーヒーを飲んでいた。 宗介さんが来るので。 香田さんにそう言って、テー…

しおかぜ町から2023/07/12フランス語ができる人

萌花がフランス語をブラッシュアップしたいと言う。 当然だろう。秋には、単身で暮らし始める。レストランで働き、ワインについて学ぶ。 今までは独学だった。スピーキングやリスニングは、もっぱら木俣さんとシェフに頼っている。 「フランス人の先生がいい…

しおかぜ町から2023/07/09萌花withパパ&ママ(つづき)

【承前】 しおかぜ町から2023/07/06萌花withパパ&ママ - しおかぜ町から そんなこと言われたって、である。 シェフや師匠の木俣さんが、考えてくれて、 ご両親が賛成で、 萌花のプラスになることだ。 私が、反対するわけないじゃないか。 いや、 反対できる…

しおかぜ町から2023/07/06萌花withパパ&ママ

【承前】 しおかぜ町から2023/07/05再びの雨、そして - しおかぜ町から 電話は萌花からだった。 雨の中で出る。 「ごめんね。今、時間ある?」 「ある。買い物に出たけど、別に急がない」 「あのね、ちょっとね、話がね、あるのね」 何か言いにくそうだ。 「…

しおかぜ町から2023/07/05再びの雨、そして

しおかぜ町も再び雨である。 九州地方は、また心配ですね。 お気をつけください。 中学生の翔太が、 しおかぜ町から2023/04/11 - しおかぜ町から 傘をささずに歩いている。下校途中か。 特に急ぐようすもなく、盛大に濡れている。 「おい、かさ、持ってない…

しおかぜ町から2023/07/03梅雨の合間の世間話

しおかぜ町も、梅雨の中休みである。 暑いって、まったく。 今からこんなに暑かったら、12月になったらどうなるねん、という たいして面白くない冗談を思い出した。 湿度も高く、みんな、いらいらしているのかも知れない。 「まったく、クソみたいなニュース…