しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から2023/04/12見た目

三ツ色だって、髪は切る。

プロフィール画像が、長髪だし

実物も、そんな感じなのだが、

現実には、長くなったり短くなったりする。

すべては、スタイリストの松田さん次第である。

もう何年お世話になっているのだろう。

尋ねてみようと思ったが、忘れてしまった。

20年以上に、なっているように思う。

 

彼女が、店を異動するたびに

私は追いかけた。

最初は、希望を言っていたが、

もはや彼女の提案を受け入れるのみだ。

「陶芸家の先生みたいにしましょう」

「サイド、刈り上げて」

 

私が、男子トイレで手を洗っていると、

あとから入ってきた人が、

「えっ?」と

とまどうときがある。

女子トイレかと思うらしい。

そのことを話すと、

松田さんは面白がって、

それっぽく仕上げてくれたりする。

「帰りに、トイレ行ってくださいね」

などと言う。

楽しい。

 

さて、髪を切って帰って来た。

いつもよりは短めである。

知り合いに会うと「おや」という顔をされる。

「どうしたの。心境の変化?」

いや、

もうこの年になって、

髪を切って心機一転、

なんてなりませんって。

 

それにしても、と思う。

見た目だけで、人はいろいろ考えるのだ。

男か女か。

気持ちに変化があったのか。

失恋したら髪を切る(今でもあるのかどうか分からないが)とか

責任取って丸坊主、とか。

 

先日、話題にしたロンバード。

彼と私、共通の友だちで

ジョージ、というのがいる。

金髪で緑色の瞳。肌も白い。

三十歳ちょっと出たくらいのグッドルッキンガイ。

ところがバリバリの日本人である。

しかも、性格が〝おっさん〟だ。

さらに、高校の国語教師。大学での専門は近代日本文学だ。

彼の生徒たちは、慣れっこなのだが、

初見の人は、見た目にだまされる。

「はうあーゆー」とか、言いたくなる。

 

おもしろいキャラクターだが、

現役教師なので、公にできるエピソードが限られる。

残念だ。

いずれ少しでも、と思う。