しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から2023/12/14ロンバード

ロンバードと出くわした。

いつものタリーズではなく、

近くの商業施設にあるスターバックスだ。

「おや」

「おや」

萌花のフランス語臨時講師である。

「三ツ色さん、久しぶりね。最近はこっち?」

「いや、この上の『無印良品』に来たついで」

同意も得ず、私の前に座る。

ドーナツが2個とでかいラテが、トレーに乗っかっている。

「萌花さんは元気ですか」

「あなたのおかげで、ことばに困ってる様子ではないよ。

メルシーボクとか言ってる」

「あはは、それくらいは。まあ、でもよかったよ」

「お世話になりました」

「どういたしまして」

カナダ人のロンバードは、

大谷がブルージェイズに行かなかったことを嘆いた。

「もともと、ドジャーズが本命だったじゃないか」

「そうだけど、残念だよ。かなり有力って報道されてたし」

ブルージェイズってトロントだろ。生まれは近いの?」

「ボクはカルガリー出身ね。大都会だよ」

トロントとは」

「だいぶん離れてるね」

「だよね」

なんじゃ、それは。

「でも、やっぱりカナダ人としてはね」

まあ、わからないではない。

 

いつものように、どうでもいい世間話を30分ほどしてスターバックスを出た。

「じゃあ」

「今度、オンラインで萌花さんと話すとき、ボクも招待してくださいよ」

「聞いておくよ。でも、朝が早いよ。向こうのゆっくりする時間に合わせるから」

「わかりました。だいじょうぶ」

ほんとかなあ。

 

萌花にLINEする。

「別にいいけど、あの人、ぜーったい起きないと思うよ」

思うことは同じである。