しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から2023/12/10小春日和

しおかぜ町も小春日和である。

暖かいと助かる。好きな季節は冬なんて言ってたもんだ、昔は。

黒崎さんのコーチなど、やることが増えたものの

もちろん、休みの日だってある。

散歩に出る。ウォーキングではない。

ただぶらぶら歩く。

落ち葉がきれい。

口が悪かったときの萌花だったら

「おじいちゃんみたいじゃん」

と言うかも。

けど、きれいものはきれいじゃないか。

写真をとって、彼女にメッセージを送った。

送ってから、フランスは深夜だと気がついた。

着信音で目が覚めないことを願う。

 

『エルベ』でひと休み。

いつもの席に香田さんがいて、いつものように新聞を広げて

競馬面を見ている。

近くに座った。ミルクティーを注文する。

「おや、久しぶり」

「久しぶりです」

そう言えば、頭を怪我してから来ていなかった。

競馬ともご無沙汰だ。

「年末の阪神(競馬場開催)ですか」

「そうそう、ややこしい名前のレース」

阪神ジュベナイルフィリーズ』若い牝馬のレース。

私の苦手なジャンルだ。

「何買うんだい、三ツ色さん」

「検討もまったくしてないし、見送りです」

そうかい。話題が広がらず香田さんは残念そうだ。

 

散歩の帰り『スーパーおとくに』で惣菜を購入。

いつものように普通。目新しいものはない。まあ、それでいいけど。

から揚げとポテトサラダ。

それを肴に自宅でビールを飲んでいると眠くなった。

うとうとしていると着信音。

萌花からの返信。こちらが起こされてしまった。

「写真、メルシー。こっちの紅葉もきれいだけど、

日本のもいいなあ。帰りたくなっちゃうよ」

 

おじいちゃんみたい、とは言われなかった。