しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から2023/12/29大掃除とごきげん萌花

しおかぜ町も年の暮れである。

三ツ色だって大掃除をする。

しばらく無視していた浴室の

浴槽の裏や下を

高圧洗浄機で洗ったら

びっくりするくらいヘドロ状の水垢が出て来て

気絶しそうになった。

マメにしないとだめだね。

 

今年最後の、黒崎樹里亜さんのレッスン。

稽古場に入ると、友人たちもいた。

沼田さん、戸田さん、内田さんに森田さん。

どうした? 何か文句を言われるのか?

「三ツ色先生、キンパッつぁんに聞いたんですけど

先生の彼女、めっちゃ可愛いって本当ですか?

芸能界に入るのを、先生が引き留めたって」

キンパッつぁん、何を生徒にしゃべってるんだ。

しかも、事実と違うし。

おかげで、五人の女子高生が興味津々じゃないか。

「写真、ないんですか?」

ないよ、そんなもの。

「またまたあ」

スマホにあるでしょ。見せてくださいよ。

キャッキャッとうれしそうだ。

全員、目がキラキラしている。

それでも拒否すると、黒崎さんが言う。

「見せてくれないなら、先生のレッスン、もう受けません」

おいおい、それは話がオカシイだろう。

反論したが、結局、元ヤンの迫力に押し切られた。

萌花がフランスに行く前、まだ暑かったころに、

家のリビングで、ふたりで写した画像を見せる。

萌花の笑顔。なぜか私は無表情。

「わぁ、きれい」

「年の差が」

「紹介してください。友だちになりたい」

 

ビデオ通話で、その話をする。

「いい子たちじゃない」と

萌花はご満悦だった。

上機嫌。

喜んでくれて何よりである。