しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から2023/12/25クリスマスだけど日常

 萌花と同居していた、”さすらいの占い師”ルーメンが

移動することを決めたらしい。

 もともとヨーロッパをさすらうつもりだったのだ。

すでに、二ヶ月以上萌花のアパートに滞在してくれた。

「萌花ちゃんは大丈夫だし、私もそろそろ動かなきゃ」

モニターの向こうのルーメンが言う。

「そうだな。いろいろ、ありがとな」

「いえいえ、滞在費、むちゃくちゃ助かったもん。感謝だよ」

年が明けたら、南フランスからイタリア、

その後、スペイン、ポルトガルを巡るそうだ。

「私は、春に日本に戻るけど、萌花ちゃんはまだまだだね」

「うん」

画面の左から、萌花が顔を出す。

「日本でお花見したい」

「萌花ちゃんの代わりに、私が三ツ色さんとお花見デートしてあげるから。

あなたは、ここでヤキモチ焼いてなさい」

ルーメンが、萌花を怒らせることを言う。

もう定番のやり取りだ。

キミたちベテランお笑いコンビみたいになってるぞ。

「そういえば」

ルーメンが、今年の『M-1』の結果を尋ねる。

『令和ロマン』ってコンビだったと教える。

「『さや香』じゃなかったのかあ」

「最後まで残ってはいたけどね」

しばらく他愛ない話をして、ビデオ通話を切った。

今はネット環境さえあれば、どこにいても繋がることができる。

顔を見て話すことができる。ありがたいことだ。

さて、クリスマスの今日は月曜日。

日本は休日というわけではない。

私も怠けてないで、いろいろと……

そう思いながら遅い朝食を摂った。

うーん。シャキッとしなくちゃな。