しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から2023/12/22おっさんバンド

しおかぜ町にも、今シーズン最強寒波到来である。

極寒の中、宗介さんからお誘い。

「沖縄料理、どう?」

ウチナンチュの内名さんが働く沖縄居酒屋。

私も、ホイホイと出かけた。

寒かろうがなんだろうが、呑みたい連中はいる。

店は賑わっていた。

「予約してないけど」

ウチナンチュの内名さんが、奥に案内してくれる。

カウンターが2席、運良く開いていた。

「とりあえず、ビール」

「オリオンかキリン、どっちにする」

「もちろん、オリオンだね」

寒いけど、沖縄居酒屋でオリオンビールは外せない。

「バンドのことは、ウチナンチュの内名さんには?」

内名さんには、必ず「ウチナンチュの」を付ける。

しつこいけど。

「いや、今日、話そうと思ってたけど忙しそうだねえ」

「そうですね」

おっさんバンド、継続活動の件である。

「木之内先生は?」

「それはちょっと、むずかしいみたい」

一応「グルメフェスティバル」まで、ということらしい。

「そうすると、練習場所にも困りますよ」

「そうだけど、まあね、なんとかなるでしょ」

宗介さんがオリオンビールをグビグビ呑む。

気楽だなあ。楽観的だなあ。

まあ、あくまでも趣味で演奏するわけだから、

むずかしく考えなくてもいいけど。

「そうそう、ギターと、ベースと、ドラムがいるんだから。

『グランド/ファンク/レイルロード』みたいでいいじゃん」

また、えらく昔のハードロックバンドを持ち出してきたな。

でも、ウチナンチュの内名さんがどう言うかな。

この店の様子じゃ、すごく忙しそうだけど。

そのウチナンチュの内名さんがゴーヤーチャンプルと沖縄風焼きそばを

運んで来たとき、宗介さんが言った。

「バンド、続けようよ。趣味で」

「いいさあ」

二つ返事だった。

にたっと笑って、仕事に戻って行く。

なんか、かっこいいぞ。

そんんわけで宗介さんは上機嫌で、

オリオンビール数杯と、泡盛のロックで酔っ払う。

おかげで、先日につづき私は、

彼を抱えて送り届けることになった。

リビアさんが不機嫌だったのは言うまでもない。