萌花とビデオ通話。
フランスとの時差は8時間。あちらは夜。こちらは早朝である。
あちらは「もう寝るよ」と言っている。
こちらは、朝メシどうしようかなと考えている。
こういうことが、2年続くのか。
向こうでの暮らし。順調だそうだ。
当面、同居する”さすらいの占い師”ルーメンが、
いろいろ助けてくれているらしい。
「でも、いまだに『三ツ色さんに抱かれた女』って言う」
まったく。そろそろ愛想尽かされるぞ。
通話を切って、お湯を沸かす。
イングリッシュマフィンを半分に切ってトースターに放り込む。
テレビをつけると、熊出没の話題。
それと、パレスチナ問題。
中東問題は複雑だが、なるべく勉強するようにしている。
ただ、知れば知るほど、解決の困難さがわかってくる。
マフィンとコーヒーの朝食を済ませて、デスクに向かう。
『秋のグルメフェスティバル」の記事原稿を、
地元のタウン誌から依頼されている。
昨日、話が来て〆切りが明後日ときたもんだ。
なかなか厳しいミッションである。
夜には、宗介さんたちとバンドの練習がある。
グルメフェスティバルのイベントは来週だ。
そこそこに息も合っているので、いい演奏はできるだろう。
秋らしい気温の日が少ないが、
それでもなんとなく、センチメンタルな気分になる季節である。
ビデオ通話をしていても、萌花は近くにいない。そのせいだろうか。
もちろん、私がいくら感傷的になったところで、
しおかぜ町は、しおかぜ町である。
この町での暮らしは続いていく。
さて、
勝手に「SEASON2」などとしましたが、
何かが変わるわけではございません。
再開いたします。