しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から2023/11/17新展開だな

しおかぜ町から2023/11/16キンパッつぁん、その後 - しおかぜ町から

 

キンパッつぁんの頼みは

黒崎樹里亜(くろさきじゅりあ)さんに、演技指導をしてほしい、

あと、いろいろ相談にも

乗ってやってほしい、ということだった。

演劇科を受験することが決まったそうだ。

演技の実技試験や面接がある。

そのための練習が必要だ。

もちろん、自分も見ますけど。

居酒屋で5杯目のビールを飲み干して、キンパッつぁんこと夏目ジョージ先生が説明する。

「今まで、演技指導はボクしかいなかったわけで。でも、入試では第三者の試験官が演技を見るわけで。だから、ボクとは違う目で練習を見る人が必要かなと。それで」

「だけど、部外者がいいのかい? それに俺が芝居に関係してたの、ずいぶん前だよ」

「それでも、三ツ色さん、経験者じゃないですか。ボクが昔、見せてもらったお芝居、面白かったですよ。高校生がここまでやるんだって思いましたもん」

 そう言われると、悪い気はしない。勤務校の演劇部で、ミュージカルを上演したときだ。

「無理のない範囲でいいですから。臨時コーチという立場でお願いします」

 バイク事故のあと、彼女、ずいぶん変わりましてね。キンパッつぁんがしみじみと言う。言葉遣いや態度も落ち着いた。周囲も、戻って来た彼女を受け入れている。今は後輩の練習まで見ている。

 松葉杖は、間もなく手放せるということだった。

「あいつ、三ツ色さんのアドバイスならよく聞くと思うなあ。きっと、あいつのタイプですよ」

おいおい、まだ会ってないのに、そんなこと情報としてよこすなよ。

「それに三ツ色さんも、気の強い子、好きでしょ?」

何を言い出す、キンパッつぁん。

「だって、萌花さんもそんな感じじゃないですかあ」

もう、この酔っ払い教師が! そろそろ帰るぞ。

 

そんなわけで、近いうちに、話題の黒崎樹里亜さまと対面することになった。