そもそも、キンパッつぁんに誘われた。↓
しおかぜ町から2023/11/06キンパツ先生 - しおかぜ町から
キンパッつぁん編<1>
しおかぜ町から2023/11/07「キンパッつぁん編<1>」 - しおかぜ町から
「ビールください!」
キンパッつぁんが5杯目のビールを注文する。
「おいおい、ペース速くない?」
「だいろうぶれす、これくらいへいきれす」
いやいや、かなり酔っぱらってないか?
それでもなんとなく共感できる自分がいる。
私に話したかったんだ。
キンパッつぁんと演劇部の物語を聞いた。
確かに、教師と生徒、教師間のやりとり。
経験した者にしか理解できないことがあるだろう。
特に、私は
病院での鷹木主任、黒崎の担任、
そしてキンパッつぁんとの心理戦(?と言っていいのかな)はリアルだった。
私もそれに近い経験が、ないとは言えない。
「三ツ色さんには、わかってもらえると思ってまいた」
おいおい、口調が怪しいぞ。
だけど、やっと吐き出せたのだろう、私相手に。
「あはは、あらためて乾杯!」
「乾杯れす」
ただ、私には気になることがあった。
「あのさ」
「はい」
「その、黒崎樹里亜くんだけど」
「はいはい、ほら来た」
うん? 何か、キンパッつぁんの術中にはまったか?
キンパッつぁんが5杯目のジョッキを半分ほど飲む。
「それなんですよ、三ツ色さん、いえ、先輩!」