しおかぜ町もいい天気。
春だ、初夏だと浮かれていたら、
もう、すぐに梅雨になる。
ひざが痛んだりするんだな、
湿度が高くなると。
この時期、
厚着の人と
思いっきり薄着の人が混在している。
朝、駅に向かうキンパツ先生を見かけた。
「あれ、時間、遅いんじゃないの?」
学校の始業時間は過ぎている。
「今日は出張で、直行です。
会議の始まりが10時なので」
各学校から、先生が集まるらしい。
キンパッつぁんは濃紺のスーツを
ビシッと決めている。ネクタイはピンク。
あいかわらず、グッドルッキング。
気温が高いのに大変だな。
がんばって、と言って見送った。
昼前に、今度は宗介さんに出くわす。
キンパッつぁんのお父さんである。
しおかぜ町から2023/04/24親バカ金髪オヤジ - しおかぜ町から
向こうから、チャラチャラ歩いてくる、金髪ロン毛オヤジ。
あいかわらず、怪しい。
白いTシャツ一枚でアンクル丈のパンツ。素足にサンダル。
短パンじゃないだけマシだが、麦わら帽子をかぶせたら
セミ獲りに行けそうだ。
「さすがに早すぎない? そのカッコ。
真夏になったら、何を着る気?」
息子はスーツにネクタイ絞めて
会議に行ったのに。
「うん、まちがえた。ちょっと寒い。
長袖にしとけばよかった」
奥さんのオリビアさんが、近くで輸入雑貨店をやっている。
そこを手伝いに行くところだと言う。
その服装で店に出たら、客、来ないよ。
「俺は、帳簿合わせたり、伝票書いたりだから
奥の部屋でやる」
なるほど。それならまあいいのか。
オリビアさんに挨拶しようと思い、
店までいっしょに行った。
「ワオ、ミツイロさん。お元気ぃ?
いい天気だね」
現れた奥さんも、白いTシャツとアンクル丈のパンツだった。
服装の好みも、似たもの夫婦。
ただ、オリビアさんの印象は爽やかだ。
決して、亭主のように怪しくはない。
店の横の「草?」がきれいだった。