しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から2023/06/12「ふるかも詐欺」

今日のしおかぜ町は、雨が降りそうで降らない。

デカい傘持って、歩いてるというのに。

これでは「降るかも詐欺」である。

まあ、降られないほうがいいんだけどね。

 

金髪ロン毛男が、ビニール傘を振り回しながら歩いていた。

宗介さんだ。

「どうしたんですか」

「いや、なんか小さい虫が飛んでてさ」

なるほど、たまにあるけど。

事情を知らないと、ただの危ない人ですよ。

通報されるよ。

「それは、困る。息子に迷惑がかかる」

彼は、キンパツ先生のお父さんだ。

「ジョージさん(キンパッつぁんの本名だ)は、

忙しいんでしょうね」

教員の労働時間の長さは、ニュースになっている。

「うん、夜遅くに帰ってきて、朝早く出て行く。

疲れてると思うんだよね」

息子大好きパパが、心配そうに言う。

話していると、小さな虫が飛んできた。

宗介さんの顔のまわりを飛ぶ。

「もう!」

傘で撃退しようとして、さっきの話を思い出したようだ。

手で追い払う。

「なんで、虫は俺に寄ってくるんだ」

宗介さん、なにか虫が好む匂いがするんじゃないですか?

「そうかなあ」

脇の下に、鼻を近づけてクンクンやっている。

いや、そこが匂うってどうよ!

おっさんには、付き合ってられんわ(^_^;