しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

しおかぜ町から【第二部】2023/08/24平和な平和な夏の日

私の自宅療養中も

おじさんバンドの

しおかぜ町から2023/07/16バンド結成? ホントに? - しおかぜ町から

練習は進んでいて、演奏するナンバーも決まりつつある。

リストを渡されたが、なんとかなりそうだ。

「そりゃあ、三ツ色さんは余裕だろ」

宗介さんが、アイスカフェオレをズズーと吸い込む。

ラテ、ではないカフェオレである。

イタリア式かフランス式か。

関係ないけど、宗介さんの奥さんはイギリス生まれだ。

「で、コロナはもう平気なの?」

「うん、なんとなくふわふわした感じが残ってるけど、

体調は戻りました。次の練習から参加しますよ」

「おお、それはありがたい。やっぱり、ギターがいないとね」

「ご迷惑、かけました」

私は、アイスティーを飲む。

まだ、少し味覚が戻っていない気もする。

 

宗介さんと別れて、ブラブラ歩いた。

体調は戻ったが、引きこもっていたせいで、

体力は落ちた。少し歩いて、運動しよう。

そう思ったのはいいが、暑い。

最高気温、35度、36度が当たり前の今日この頃である。

コロナから回復したのに、熱中症になってはたまらない。

公園。木陰にベンチがあった。ひと休み。

ここは海が近い。

町の名のとおり、しおかぜが吹く。

ただ、涼しい、とまではいかない。

それほど酷暑である。

 

気が付くと、近くに白い猫がいる。

耳が一部カットされている。地域猫だろう。

なんとなく「じゃまだなあ」という顔で、私を見ている。

地域猫と地域おじさんが、真夏の公園で見つめ合う。

そのうち、警戒しながら近付いてきて、

直射日光の当たらないところで、座った。

私とは2メートルほどの距離である。

この人間は危険ではなさそうだ。

そんなふうに、お考えになったのだろう。

猫にも、なめられた、いや信頼された夏の一日。

平和なものである。

 

さあ、そろそろ、

完全復活しようじゃないか。