しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

「三ツ色日記」2024/03/14卒業式とおにぎり

今日は公立中学校の卒業式だ。

知り合いの真田さんの息子、翔太もめでたく卒業である。

それにしても、高校入試が終わって

即、卒業式とは、15の春は忙しいものだ。

式に向かう彼の両親に出会った。

きっちりとした服装をしている。

「おお、三ツ色さん、怪我はもういいのかい? 

たいへんでしたね」

「はい、まあ、なんとか。あの、

本日はおめでとうございます。天気がよくて、よかったですね」

「はい、ありがとうございます」

最近の中学校の卒業式ってどんな感じだろう。

私も、元教員だから興味はあるが

保護者ではないから出席するわけにはいかない。

”地元の名士”にでもなれば、

来賓として招かれるかもしれないが、

無理な話である。

じゃあまた、と言って別れる。

そうだ、翔太の高校入学祝いを買っておかないとな。

英和辞典を贈ってやると言ったら、嫌そうな顔をしていたっけ。

しおかぜ町から2023/04/11 - しおかぜ町から

そういう顔を見るのも面白そうだが、喜ばれないのも困る。

どうしても、お金のかかる時期だ。さっき会った両親のことを考えると

商品券とかクオカードとかがいいのかな。

まあ、そのあたりかな。

考えながら歩く。

駅前の商店街まで来た。

タウン誌の記事の取材だ。

『えんむすび』

おにぎり専門の店である。

新規開店で、隅々まできれいである。

基本はテイクアウトとのことだが、

小さなイートインコーナーがある。

下町によくあったたこ焼き屋みたいな造りである。

そこで店主が話を聞かせてくれた。

いそがしい開店前にありがたい。

礼を言うと、ご主人がていねいに頭を下げる。

「いえ、こちらこそありがたいです。

いい宣伝になります」

米にこだわりはあるが、高級米を使えばいいというものでもないんです。

「炊き方といいますか。水分量なんかはその日の湿度や水の温度との関係もありますし。それにお茶碗でいただくごはんとちがって、握り飯にして旨いかどうか考えないと」

ご主人はなかなか饒舌で興味深い話をたくさんしてくださった。

「具は、当たり前のものしか使ってません。梅とか鮭とか。大きな店じゃないし、なかなか冒険もできないので、珍しい具材はなかなか。試したいものはあるんですけどね、例えばバターを添えて醤油を垂らすとか」

 バターおにぎりは旨そうじゃないか。いつか、ぜひ。楽しみにしています。

店構えと店主夫妻、商品を撮影して取材を終えた。

 自分用に鮭ハラスと昆布の2個を購入して、昼食にした。

贔屓(ひいき)にしようと思った。