今日と明日は、公立高校の入学試験だ。
しおかぜ町にも受験生はいる。
当たり前か。
真田翔太もそのひとりだ。
すでに併願先の私学は合格しているので、
気分的には余裕を持って臨めるだろう。
第一志望校の吹奏楽部で活躍してくれ。
そんな今日は朝から大雨で受験生は大変だっただろう。
ゴミ捨てに行った私は、けっこう濡れた。
傘をさすのがめんどうだっただけだから自業自得ではあるけれど。
濡れたトレーナーを洗濯機に放り込んだが、外干しできないなあ。
まあ、天気に文句を言っても仕方がない。
そんな雨の日は落ち着いて仕事である。
こんな三ツ色にも、いくつか依頼はある。
ただ、入院していたため
〆切りまでのスケジュールがタイトになっている。
取材ができていないのも辛い。
地元タウン誌の「お店レポート」のような記事でも
資料だけで書くわけにもいかない。
そんなわけで、何件か電話をしてアポイントを取る。
メールよりは電話の方が決定が早い。
新規開店の、おにぎり専門店と雑貨屋さんの2軒に連絡が取れた。
タウン誌の編集部にはメールでその旨を伝える。
返信が来て「原稿の文字数、200字ほど増やしてください」とのこと。
短くするよりは長い方がありがたい。
了解道中膝栗毛と、呟いたりしながら。
「了解いたしました」と返す。
退院して、萌花と暮らし始めて、
仕事もできるようになり、ようやく上り調子になってきた。
そう言えば、映画館に行っていないなあ。
アカデミー賞のニュースを見ながら思ってしまう。
しばらく行けていない。入院していたせいもあるが、
その前も、バンド練習やら萌花の渡仏、優理のオヤジ事件とか、
いろいろあったからなあ。
配信やDVDでは隙間の時間で、映画やドラマを観ているが
シアターには行けていない。
作品賞の『オッペンハイマー』は、
これから公開か。
登場人物の把握が難しいという噂だし、尺も長いのだが
クリストファー・ノーラン監督が、フィルムにこだわって、
コダック社が専用工場を設けた、なんて報道を目にした。
それならやはり、自宅の液晶モニターじゃなく、劇場で見た方がいい。
ノーラン作品では『インセプション』(ディカプリオや渡辺謙が出てた)と『ダンケルク』が好きだが、他の作品も外れはないし、
間違いなく、現代を代表する監督だ。
アカデミー監督賞、遅いくらいだったと思う。