しおかぜ町から

日々のあれこれ物語

2023-01-01から1年間の記事一覧

しおかぜ町から2023/09/22休んでいられない

壮行会の時間。 私は、自宅でビールを飲みながら、 7時のNHKニュースを見ていた。 京都アニメーション放火事件の裁判。 小説をパクられたって、その小説、読んでみたいもんだ。 考えていたとき、萌花からLINEが来た。 「今、こんな感じ」 画像がついている。…

しおかぜ町から2023/09/20夏サンザン

ごぶさたしてしまいました。ようやく頭の傷も癒えました。 しおかぜ町から2023/09/07 流血、その後 - しおかぜ町から 新型コロナに感染した。 頭を割られた。 さんざんな2023年夏である。 しかも、いつまでも暑いしね。 ようやく包帯もとれて、日常生活も不…

しおかぜ町から2023/09/09最後はラブストーリーに

【承前】 しおかぜ町から2023/09/07 流血、その後 - しおかぜ町から 木陰にベンチがあったので、そこで待つことにした。 ただ、気が気じゃない。 いっしょに行った方が、よほど楽だ。 30分ほど、腰を下ろしていたが、 縫った傷が痛み出した。 処方された痛み…

しおかぜ町から2023/09/07 流血、その後

【承前】 しおかぜ町から2023/09/06掃除機で殴られる日が来るなんて - しおかぜ町から ドアが開いた。 萌花。 血まみれの私を見る。目を見開く。 ダッシュして、私に飛びついた。 オヤジから引き離す。 なんか、すごい力だった。「三ツ色さーん」と言う。 萌…

しおかぜ町から2023/09/06掃除機で殴られる日が来るなんて

優理。 父親から逃れて、独り暮らし。 しおかぜ町から2023/05/28ダービーの日に - しおかぜ町から 生活は苦しい。昼間は事務、夜は交通誘導など。 萌花が相談に乗っている。 私は、クソオヤジがやって来たときのガードマン。 その優理からのSOS。 父親が居場…

しおかぜ町から2023/09/03

チャラいカナダ人、ロンバード。 萌花のフランス語レッスンも、あと一回になった。 いつもの『タリーズ』の二階。 萌花が来る前に会って、ちょっとしたお礼の品を渡す。 「『モンロワール』。チョコレートなんだ。奥さんと食べて」 「おお、ありがと、三ツ色…

しおかぜ町から2023/08/31スーパーブルームーン

しおかぜ町も、スーパーブルームーンである。 月が、ものすごく地球に近付いている。 三ツ色は、こういうの、わりと好き。 プロ仕様のカメラを持っているわけではないので、 iPhoneで撮ってみる。 どうしても、なんか謎の点(緑色の丸です)がはいってしまう…

しおかぜ町から2023/08/29抱かれた女

萌花が、フランスに行く日が迫っている。 準備は大丈夫か? 「こまったら、帰ってくる。だから、だいじょうぶ」 いやいや、そんなことで修行できるのか? 「えへへ。余裕ある方がいいじゃん」 そうか。なんとなく納得してしまう。 パワーはあるのだ、萌花に…

しおかぜ町から2023/08/25【追悼】テリー・ファンクさん

プロレスラー、テリー・ファンク氏の訃報。 兄のドリー・ファンク・ジュニアとのタッグ『ザ・ファンクス』は 昭和の名タッグチームだった。 世界最強タッグ決定リーグ戦での、ブッチャー・シーク組との試合は 今でも語られるほど、観ている者を熱狂させた。 …

しおかぜ町から【第二部】2023/08/24平和な平和な夏の日

私の自宅療養中も おじさんバンドの しおかぜ町から2023/07/16バンド結成? ホントに? - しおかぜ町から 練習は進んでいて、演奏するナンバーも決まりつつある。 リストを渡されたが、なんとかなりそうだ。 「そりゃあ、三ツ色さんは余裕だろ」 宗介さんが…

しおかぜ町から2023/08/20【第2部】スタート

三ツ色だってコロナに感染する。 私の人生で、二番目の高熱を経験した。 1位は、十数年前にインフルエンザに罹ったとき、 40度を超えたことがあった。 それに次ぐ39度台だった。 コロナが風邪みたいなもんだ、 なんて、とんでもないデマだ。 感染がわかった…

しおかぜ町から2023/08/14

三ツ色が、コロナ感染のため 更新が滞っております。 回復しましたら、 またよろしくおねがいします。

しおかぜ町から2023/08/07墓参り

お墓参りである。 亡くなった妻の墓前に、 (どう説明していいのかわからないが) 若い女性を伴っての墓参である。 もしかすると、なかなかの場面なのかもしれないが 私は冷静だった。 カノン。わかってくれる。 浮ついた気持ちは、全くない。 横にいる萌花…

しおかぜ町から2023/08/06お墓参り!?

承前 しおかぜ町から2023/08/05ギター弾いてみた - しおかぜ町から 川のそばに来た。 ルーメン事変のあとに来た場所。 手を繋いだ場所。 「ねえ」 萌花が言う。 あいかわらず、大事そうに持っている。 私のギターケース。 泣いたギターが、入っている。 「ど…

しおかぜ町から2023/08/05ギター弾いてみた

バンドの初顔合せ。 練習場所、 『有澤学園』の校門前で待ち合わせ。 2023-07-20から1日間の記事一覧 - しおかぜ町から キーボード担当の木之内先生の勤務先だが 宗介さんの息子、キンパッつぁんの勤務校でもある。 『私たち』が到着すると、すでに宗介さん…

しおかぜ町から~追憶編8最終

承前 追憶編・最初 しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から 追憶編・前回 しおかぜ町から〜追憶編7 - しおかぜ町から 告別式翌日の午後、私が出勤すると、 同僚たちが引いていた。 仕方がないじゃないか。 私だって休みたい。 でも、今日も講習があり、…

しおかぜ町から〜追憶編7

承前 追憶編・最初から しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から 追憶編・前回 しおかぜ町から~追憶編6 - しおかぜ町から 大学を卒業し、 私は神戸の私立学校で教師になった。 城間は京都の製薬会社に就職し、 具志堅太郎は沖縄で、水産会社に入社した…

しおかぜ町から~追憶編6

承前 追憶編・初めから しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から 追憶編・前回 しおかぜ町から~追憶編5 - しおかぜ町から 卒業後も、島田は私たちと活動を続けた。 さすがに、大学で練習するのは気が引けたのか、自腹でスタジオを借りた。 その頃から、…

しおかぜ町から~追憶編5

承前 追憶編・最初から しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から 追憶編・前回 しおかぜ町から~追憶編4 - しおかぜ町から 「キーボードが必要やと思うねん」祇園祭の前、暑い日だった。 島田はまじめな顔をしている。 「音に厚みが欲しいねん」私は必要…

しおかぜ町から~追憶編4

承前 追憶編・最初から しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から 追憶編・前回 しおかぜ町から~追憶編3 - しおかぜ町から 後期試験が終わり、久しぶりに部室に行くと、島田が待ち構えていた。「お前、こういう演奏できるか」CDプレーヤーのボタンを押…

しおかぜ町から~追憶編3

承前 しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から しおかぜ町から~追憶編2 - しおかぜ町から 夏休み、私たちはライブハウスに出演するようになった。島田がオファーを取り付けてきた。 彼は関係者からも評価されていて、顔が利いたのだ。バンド名は、「京…

しおかぜ町から~追憶編2

承前 しおかぜ町から~追憶編1 - しおかぜ町から ふた月ほど前に、島田はそれまでいたバンドを抜けていた。 「方向性の違いや」そう言っていたが、本当は人間関係だと、別の先輩が教えてくれた。メンバーを探していた島田にとって、私は好都合だったのだろ…

しおかぜ町から~追憶編1

私は中学二年生でギターを始め、高校では、そこそこの腕前になっていた。 学校にはフォークソング・クラブしかなかったが、 ハードロックを演奏して目立った。 「ブリザード」というバンドを結成し、文化祭で人気者になった。 他校のバンドと、市民会館で演…

しおかぜ町から2023/07/25振り返るとき

しおかぜ町もひどく暑い。 ビール以外、あまり水分を摂らない私は、 気を付けなくては。 『スーパーおとくに』の隅っこ、 涼しい場所でクニエダさんが座っていた。 経口補水液のペットボトルを持っている。 「どうされたの?」 レジ係に尋ねる。 「休んでも…

しおかぜ町から2023/07/22調子に乗っちゃって

「どうして私がいなくなってから 楽しそうなことするの?」 バンドの話。萌花の文句。 「秋のグルメフェスティバルのイベントだよ。 仕方ないじゃないか」 ボーカル不在のオジさんバンド。 「私がやりたかった。グループのセンター」 いや、アイドルグループ…

しおかぜ町から2023/07/20バンド結成からのボーカル不在

ベース担当者は簡単に見つかった(らしい)。 宗介さんがよく行く、沖縄料理店のサブチーフで 那覇の出身。 私がいたバンドのベースも沖縄出身者だった。 不思議な縁を感じて、喜んでOKした。 腕前はわからないが、今も弾いているというから 間違いはないだ…

しおかぜ町から2023/07/16バンド結成? ホントに?

しおかぜ町も猛暑である。 宗介さんが話があるという。 喫茶『エルベ』で待ち合わせ。 常連の香田さんがカウンターにいた。 いつものようにガムシロップをふんだんに入れて、 アイスコーヒーを飲んでいた。 宗介さんが来るので。 香田さんにそう言って、テー…

しおかぜ町から2023/07/12フランス語ができる人

萌花がフランス語をブラッシュアップしたいと言う。 当然だろう。秋には、単身で暮らし始める。レストランで働き、ワインについて学ぶ。 今までは独学だった。スピーキングやリスニングは、もっぱら木俣さんとシェフに頼っている。 「フランス人の先生がいい…

しおかぜ町から2023/07/09萌花withパパ&ママ(つづき)

【承前】 しおかぜ町から2023/07/06萌花withパパ&ママ - しおかぜ町から そんなこと言われたって、である。 シェフや師匠の木俣さんが、考えてくれて、 ご両親が賛成で、 萌花のプラスになることだ。 私が、反対するわけないじゃないか。 いや、 反対できる…

しおかぜ町から2023/07/06萌花withパパ&ママ

【承前】 しおかぜ町から2023/07/05再びの雨、そして - しおかぜ町から 電話は萌花からだった。 雨の中で出る。 「ごめんね。今、時間ある?」 「ある。買い物に出たけど、別に急がない」 「あのね、ちょっとね、話がね、あるのね」 何か言いにくそうだ。 「…